桑田語辞典〜ツイストVSサザン論争(番外編)〜

「ツイストVSサザン論争(番外編)」

今回は以前当サイトの常連さんであるももとどちゃんさんから頂いた「ツイストVSサザン論争について何か分かることがあったら教えてください」という投稿への回答です。

番外編としたのは、「ツイストVSサザン論争」は世代や環境によって大きな違いがあると思われ、桑田語辞典に掲載するのはどうかという迷いがあるからです。
ですから、下記の文章はあくまでも僕の個人的な見解で、便宜上、断定的な表現をしますが、僕の周囲ではこうだったということですので、予めご了承ください。

いきなりですが、僕の結論から言います。
「ツイストとサザンはライバルではなかった」

確かに「ザ・ベストテン」をはじめ、様々なテレビ・ラジオ・雑誌等で「ツイストVSサザン」という構図での番組や誌面作りがなされていた事実はありましたが、出演者の対抗はありきたりな企画でしたし、それぞれのファンはお互いが支持するバンド同士がライバルだという見方はしていませんでした。
なぜなら、「ツイストVSサザン」は「カッコいいVS面白い」の異種格闘技のようなものだったからです。

当時のツイストの人気はそれはもう絶大なるもので、ツイスト・ファンは天下を獲った者の余裕のような姿勢でサザンを「面白いバンド」として微笑ましく見ていました。
辛辣に言うなら、ツイスト・ファンはサザンをツイストと比較する対象とは捉えておらず、サザンなど全く眼中になかったのです。
一方、サザン・ファンはといえば、ツイストに対して「敵わない」という劣等感を抱いていました。

実際、桑田さん自身も「世良公則のカッコ良さには敵わない」という発言をしていたのですが、サザン・ファンが抱いていた劣等感はルックスだけではありません。
残念ながら、サザンは「いとしのエリー」で大衆の度肝を抜き、ツイストを凌ぐ音楽性の幅広さと高さを証明したのにもかかわらず、次のシングル「思い過ごしも恋のうち」でデビュー当時の路線に戻ったこと、そして、テレビ番組では相変わらずコミカルだったことから、「いとしのエリー」は「奇跡の1曲」・「まぐれの1曲」だと揶揄され、テレビでのサザンしか知らない人たちのサザンへの評価はまた「面白いバンド」に戻ってしまいました。
このことへの無念がツイストへの劣等感になったのです。

しかし、僕を含めて、洋楽好きなバンド少年たちの見方は違っていて、ツイストとサザンをこんな風に評していました。
「ツイストは、ルックスはカッコいいけど、やってる音楽は演歌だからカッコ悪い」
「サザンは、ルックスはカッコ悪いけど、やってる音楽はロックだからカッコいい」

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