桑田語辞典〜つれない〜

「つれない」(「栞のテーマ」を含む多数)

「つれなく」という使い方も含めると、かなりの曲で使われている「つれない」という形容詞。
これは三省堂の国語辞典によると、「対人関係における冷淡さを意味することが多い」とされています。

しかし、あくまでも僕の個人的な印象でしかないのですが、桑田さんの詞の中のヒロインに冷淡さは感じられません。

つれないヒロイン(=彼女)の人物像は曲によって違うはずだと思いますが、共通して言えるのは、かわすのが上手い女性だということです。
どういうことかというと、主人公の男性(=彼)が求愛しようとすると、その雰囲気を察知して回避するのが上手いということです。

彼女の行動は「キッパリと断って彼を傷つけたくない」という思いやりによるものかもしれませんし、「恋人としては無理だけど、友達としてはずっと付き合っていきたい」というある種の自己愛によるものかもしれませんし、「自分を愛してくれる男性を翻弄して楽しみたい」という悪女的欲求によるものかもしれません。
ただ、いずれにせよ、彼は求愛を受け入れられるわけでもなく、かといって、冷たくふられるわけでもないという、どっちつかずの状況下にあります。

こうした状況下で「俺の気持ちはよくわかっているはずなのに、全く取り合ってくれない」彼女を形容するのに最もふさわしい言葉として、桑田さんが選んだのが「つれない」なのではないかと思います。

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