逢いたさ見たさ病めるMy Mind

No.38
Date: 2001/07/24(Tue) 18:05
Name: crazy-fingers
Subject: ”ふらち”

”ふらち”という言葉は,C調言葉にご用心:
  あ ちょいとC調言葉にだまされ
    泣いた女の涙も知れずに
    いっそこのままふらちな心で
    いるなら胸が痛むね

や,逢いたさ見たさ病めるMy Mind:
         ひとりきりが これほど辛いなら
         ふらちなマネを悔やむべきなのに

に出てきます.確か辞書にも載っていたと思うのですが,辞書的な意味合いとはまた別なニュアンスがあると思います.

そこで,この2つの曲における”ふらち”の解釈をお願いします.
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No.39 -> No.38
Date: 2001/07/25(Wed) 01:11
Name: マーシャ@桑田節
Subject: Re: ”ふらち”

crazy-fingersさん、こんばんは。
今回は一つの単語の比較解釈という、これまでにない形式のお題を出されましたね。
あなたの知的レベルの高さに感心しています。
僕ごときがあなたについていけるかなぁ?

あなたのおっしゃる
> 辞書的な意味合いとはまた別なニュアンス
ということに合致するかどうかわかりませんが、僕なりの解釈をしてみます。

まずは“C調言葉にご用心”から。

この曲は男の二面性、或いは一つの恋愛が終わってからの変化を表している曲だと思います。

元々は純情一筋だった男が、心底愛した女性との恋が終わってからというもの、本気の恋愛に臆病になったり、女性不信になったりして自暴自棄に陥りながらも、女性に調子いい(=C調:「調子いい」を逆に言った業界用語のようなもの)言葉を掛けて口説いては自らの性欲の捌け口にする遊び人になってしまった状況を描写しているようです。

この男にとってはただの遊びのつもりでも、調子いい言葉で口説かれた相手の女性の中にはこの男に本気で恋して傷ついた人もいるでしょう。
そういう人にしてみれば、この男に鬼畜・外道・人非人と罵詈雑言を浴びせたくもなるはずです。

つまり、この曲における「ふらち」とは、自分の性欲を満たす、ただそれだけが目的で、調子のいい言葉で女性を口説いてモノにするという、人から非難されても仕方のないことを意味していると思います。
それをこの男が自覚していることが尚更「ふらち」なのです。

続いて、“逢いたさ見たさ病めるMy Mind”。

この曲は恋する男の切ない気持ちを表現していますが、なぜか僕は微笑ましく感じてしまうんです。
それは男性の行動がとても幼く可愛らしいからです。

この曲の中の彼と彼女はしょっちゅう顔を合わせる間柄なのですが、逆にそれが災いして、シャイな彼は彼女への恋愛感情を真面目に正直にどうしてもうまく伝えられない。
二人の距離が近いだけに自分の気持ちをつい茶化して表現してしまう。

小・中学生の頃に誰しも経験したことがあると思うんですが、「好きな子に限って、悪戯したり、意地悪なことをしてしまう」、彼の行動はまさにこれです。

つまり、この曲における「ふらち」とは、自分の気持ちを相手にストレートに伝えないがために、その行動が裏目に出て、相手に誤解されてしまうという、全く的を射ていない、要領を得ていない、今のままでは埒のあかない状況を意味していると思います。

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