ノイローゼ!ノイローゼ!!

サザンが“勝手にシンドバッド”でデビューしてから数ヵ月後、2枚目のシングル“気分しだいで責めないで”がリリースされました。

初めてこの曲を聴いた時、曲調が“勝手にシンドバッド”の路線を踏襲してたので、僕は「この路線で行くんだ・・・」と正直ガッカリしました。
そして、YAMAHAのコンテスト経由でデビューした他のミュージシャン達と同様、「このバンドもそう長くは続かないな」と思いました。

それでも、この曲はそこそこ売れて、サザンは当時の人気番組“ザ・ベストテン”に出演したんですが、この時に桑田さんは初出演時以上の強烈なインパクトを視聴者に与えました。

記憶が定かではないんですが、たしかアルバム作りの為の合宿先からの生中継だったと思います。
パジャマ姿の桑田さんが曲中にそれまで弾いていたギターを肩から外して股間に当て、それを女体に見立てて腰をガンガン突き捲るという、あたかも後背位でセックスしてるかようなアクションをしながら、「ノイローゼ!ノイローゼ!!」と絶叫したんです。

桑田さんは歌前のトークで「なかなか曲が出来なくて悩んでる」ということを話してたんですが、それにしても、桑田さんのパフォーマンスには度肝を抜かれました。
本当に曲が出来なくて悩んでたのかもしれませんし、あの時点で既に“いとしのエリー”は完成してたのかもしれません。
いずれにしても、桑田さんは当時の自分達のキャラクターと表現したい音楽とのギャップにかなり苦しんでたんでしょう。

番組終了後、桑田さんの“あたかも後背位”に対して、視聴者の一部から「ふしだらだ!」というクレームがあったらしいんですが、桑田さんのパフォーマンスは結果的にサザンを救う役割を果たしたと思います。
というのは、桑田さんの絶叫は、落ち目になりそうな者に対しては見向きもしなくなる大衆に「落ち目になりそうだけど、苦しんだ末の次のシングルはどんなものなのか聴いてみたい」という興味を持たせたからです。

そして、翌年、3枚目のシングルとして、“いとしのエリー”がリリースされました。

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