レオン・ラッセル

掲示板・桑田節の回答でも述べたように、僕はレオン・ラッセルに関する知識に乏しいのですが、僕の知りうる範囲でレオンについて語りたいと思います。

桑田さんとレオンには幾つか共通点があります。

1.個性的な声
極論を言えば、汚い声です。
桑田さんもデビュー当時には散々言われましたが、レオンはまさにその元祖で、その声に「生理的に受けつけない」・「不快になる」といった拒否反応を示す人が少なからずいました。
皆さんの場合、桑田さんの声で免疫が出来ていると思いますが、それでもレオンの声を初めて聴くと、キツく感じる人がいるかもしれません。

2.歌唱力の評価
「ヴォーカリストはよく通る澄んだ声の持ち主がなるもの」というそれまでの常識を覆し、濁声の通りの悪さを声量でカヴァーしている節があるので、聴く者には表現力の繊細さに欠けている印象を残します。
そのため、レオンは技術的な視点からは「歌が上手い」とは評価されていません。
皆さんから反感を買うのを承知で言わせてもらうと、デビュー当時の桑田さんも決して「歌が上手い」とは言えませんでした。

3.楽曲の良さ
声や歌唱力のマイナス評価を覆すのに余りあったのが楽曲の良さです。
レオンの曲は、桑田さんが生歌コーナーで何回か歌っている"A Song For You"をはじめ、様々なミュージシャンにカヴァーされています。
それだけ楽曲が良かったからこそ、大衆が繰り返し彼の曲を耳にするようになり、クセのある声も歌い方も「味がある」という高評価へと変化していったのです。
桑田さんもそうでした。
“いとしのエリー”を境にそれまでの強烈なバッシングが音楽性の高評価へと一変し、桑田さんの曲が他のミュージシャンにカヴァーされるようにもなりました。

4.音楽性の幅広さ
レオンはロックに限らず、ポップスもジャズもカントリーも何でもこなせる創造力と柔軟性を持っています。
しかし、この音楽性の幅広さに関しては、和の要素も兼ね備えている桑田さんの方がレオンを上回っているかもしれません。

憧れの人、それは「あの人みたいになりたい!」と思いながらも、現実には自分とは正反対のとても遠い存在で、「到底なれっこない」という諦めの感情も抱かせる人。
目標の人、それは自分と共通点のある近い存在で、「あの人みたいになってやる!」という強い決意を抱かせてくれる人。
憧れの人と目標の人にはそんな違いがあると思います。

そう考えると、桑田さんにとって、レオン・ラッセルは究極の目標の人なのかもしれません。

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