コミック・バンドか一発屋

サザンのデビュー曲は皆さんご存知の“勝手にシンドバッド”です。
この曲は、メンバー全員がシャウトするコーラス(♪ラ〜ラ〜ラ〜ラララ、ラ〜ラ〜ラ〜)・「今何時?」・「胸騒ぎの腰つき」のこれら3つのフレーズの繰り返し、歌う側も聴く側も気が抜けない程早口になるメロディー、そして、桑田さんのハスキーという言葉では形容し難い特徴のある歌声など、耳に残るインパクトとリピートというヒット曲の要素がぎっしりと詰まった名曲です。

この曲でデビューしたサザンの登場は、言い古されている言葉ですが、まさに衝撃的でした。

しかし、ラテン系ミュージック専門と思わせるベタなバンド名、沢田研二さんの“勝手にしやがれ”とピンク・レディーの“渚のシンドバッド”をくっ付けたというふざけた曲名、そして、演奏時の衣装はジョギング・スタイルという新人バンド・サザンオールスターズに対する世間の評価は「コミック・バンドだろう」、「一発屋で終わるだろう」というものがほとんどでした。

実は、当時少年だった僕もそう思っていた一人です。
小学生の頃から洋楽を好んで聴いていた僕にとっては70年代ロック=様式美でしたから、それとは全く逆の路線を行っていたサザンの異端児振りに、僕は呆気に取られたんです。

かといって、僕はサザンを馬鹿にしていたわけではなく、ガキの分際で、「たしかに面白いけど、こういうバンドが果たしてどれだけ続くかな?」という不安と「次はどんなのを出すんだろう?」という期待が入り混じった感情でサザンを見ていました。

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