チャコの海岸物語

♪チャコの海岸物語

この曲で思い出すのは、この曲がリリースされた当時のライヴでの桑田さんと野沢さんの絡みです。
ご存じない方に説明しましょう。

2番が終わった後の間奏で、女性のような化粧をして、毛皮のコートを着た野沢さんがステージ中央に登場。
野沢さんがコートを脱ぐと、なんとコルセットにガーターベルトという下着姿。
(この下着姿はアメリカのガールズ・バンド「ザ・ランナウェイズ」のヴォーカルだったシェリー・カリーのステージ衣装の模倣と思われる)
そして、桑田さんと野沢さんは軽いキス(唇と唇)をした後、二人でピンクレディーのような振り付けで「エ〜ボ〜シ〜」と歌いだす。

というものでした。
このパフォーマンスは見ていて楽しいものではあったんですが、桑田さんの歌い方も含めて、何かヤケになっていて、無理にはしゃいでいるようにも見えました。

♪チャコの海岸物語

“C調言葉にご用心”以降のシングル、“涙のアベニュー”から“栞のテーマ”までの売上げがあまりパッとせず、世間に「サザンもそろそろ落ち目かな」と思われていた頃にリリースされ、起死回生の大ヒットとなりました。
桑田さんはシングルが売れないことに半ばヤケ気味になり、当時人気のあったジャニーズ事務所のアイドル・田原俊彦氏を真似て歌ったと言われてます。

この曲に関する僕の思い出と言えば、何と言っても、紅白歌合戦ですね。
僕はリアル・タイムで観ましたが、後にNHKの特番でも放送されたので、観たことのある人は多いと思います。

桑田さんはケバイ化粧をし、三波春夫氏張りに着物を身に纏い、歌い方も真似てました。
当時の若者には大好評でしたが、「国民的番組である紅白歌合戦に於いて、国民的歌手である三波春夫氏をパロディーにするとは、ふざけるにもほどがある」と激怒した大人達が多かったようです。
現に、会場のNHKホールには、ギャグがスベったかのごとく、冷え冷えとした空気が流れ、寒くなった様子がテレビを観てる僕にも伝わってきました。

紅白歌合戦は数日前から入念なリハーサルが繰り返されるそうですし、桑田さんのあのパフォーマンスをお堅いNHKが事前に了承したとは思えません。
あくまでも僕の勝手な思い込みですが、桑田さんは「もうNHKに出られなくなってもいい」という覚悟であのパフォーマンスをゲリラ的に行ったのではないかと思います。

当時の僕は「紅白歌合戦は国民的番組だ」と自負するNHKの権威や紅白出演を勲章とする歌手達の価値観を見事なまでにぶち壊してくれた桑田さんのパフォーマンスに心から拍手を送りました。

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